孤独には力があると確信できた!映画を通して学ぶ「砂の器」
もの悲しくて、切ない映画「砂の器」です。どちらも孤独なもの同士が本来ならば肩を寄せ合いながら、貧しくとも苦しくとも、生きて行きたかったのだと察します。しかし、見方を変えれば孤独には孤独力があると映画を通して学ぶことを発見しました。本当は離れたくはなかった、親子の如何ともしがたい別離、生まれながらの孤独な宿命を背負いながら、結局は離れても二人共が孤独であった。しかし、「砂の器」の題名通りに何度となく砂で器を作っても、そばから崩れて行く、究極の孤独な姿が、孤独力に変わるのだと凄い学びがありました。
私のPCの向こうにいるあなたへ 見ましたか? ネオコンサルの橘佑稀です。
映画「砂の器」は、感動を与えてくれる絶品!
言う間でもなく、松本清張氏の原作です。“刑事役、今西の丹波哲郎氏”と“若き指揮者でピアノ演奏家役、加藤剛氏”が古いけれども最高です。 “父親役、本村千代吉の加藤 嘉” この方が演じなかったら、ここまでの感動と涙は出なかったです。名演技者の“巡査役、三木の緒形拳氏”
尚、映画を通して学んだ孤独の力は後述しました。
視覚と聴覚が異次元のバイブレーションとなる
もう、すでに見たよって言う方もいるでしょうが、視点を変えて再度ご覧下さいね。あれ程、原作に忠実であり、又、ビジュアル的な効果とピアノ協奏曲「宿命」が暗鬱でもの悲しくて、聴覚を刺激します。
日本の四季を思い出させてくれる名作!子役も素晴らしい
かつての日本にあった四季、色とりどりの季節感をちりばめて、日本海の荒れ狂う海をバックに壮絶な人生を描いた一大傑作である。”和賀英良”の幼い頃を演じた子役の秀夫は、全てを達観したような「目力」がするどくて迫力満点、印象的でした。
百聞は一見にしかず!あらすじはググって下さい
あえて、私は、全編のあらすじを書くのは避けました。「百聞は一見にしかず」ですから。私がとりあげようとした「孤独」をメインテーマとして取り掲げます。もし、あらすじを知りたい方はググって下さいね。日本の映画史上で心に残る大作として3本の指に入るでしょう。私個人では、ナンバー1だと確信します。
言う事なしです。テレビのドラマの砂の器は、ゴミ
まさに原作を超えたと松本清張氏が言われていますので、私が今更クドクド言う必要はないと思います。只、テレビドラマでも5作ありますが、何の感情も沸いて来ませんでした。あんなものは駄作のゴミです。見るならば、これしかない!
出来れば、まず、原作を読んだ後に映画を見ると、時代考証や奥深い社会の闇が分かり、一層味わい深い名画となる事は請け合いです。
メインテーマの孤独の再現です
では、私なりに「孤独」をメインテーマをとして語りましょうか。私の一番印象に残ったシーンは、ほぼラストに近く。もう、亡くなったと思われていた。当時は、伝染率が高く死病と呼ばれていた「ハンセン氏病」を患った父親の”本村千代吉“が人里離れた隔離病棟で存命中であった。と、言うところから孤独なテーマに入ります。
悲しみを子供の為に、ひた隠しにする千代吉の慟哭
そこへ、刑事役の今西が訪ねて来る。立派になった”和賀英良”の写真を見せて、「この青年をご存じありませんか?」千代吉は、鳴き声を押し殺して、一目見るなり「あぁぁぁ・・・」声にならない声で、深い悲しみを胸に押し殺し、ひた隠す。
会いたくても成長した、大人の息子の邪魔をしては、ならねぇ
「あなたは、この青年を子供の6、7才だとしたら見覚えがありませんか?」「ぅぅぅ・・・」「では、全く見た事も合った事もないのですね」「な、な、なぃ。し、しらねぇぇぇ」閉ざされた外部への唯一の通信手段は、三木巡査たった一人だけ。
24年間の手紙は愛する秀夫のことだけだ!
病棟から24年間の長きにに渡って手紙のやり取りをしていた。千代吉からの手紙は、いつも一子である秀夫の事「秀夫は、今どこにいるんだ。一目だけでも良いから会いたい。死ぬまでに会いたい。」それのみ。
「あなたの息子さんは、見どころのある頭の良い子だから、きっとどこかで立派に成長しているだろう。だから、その内にきっと会いにくるだろう。」と、くり返し、くり返し、くり返し。このように慰めていた。
果たして、和賀は父親に会いたかったのか?
そして、いよいよラスト!和賀英良は、華やかな舞台でオーケストラを従えて、幼い頃を回想しながらピアノの鍵盤を時に優しく、又、激しく叩きつけるように演奏する・・・。
そこへ捜査令状を携えた刑事が二人、狭い楽屋をホールに向かって歩く。若い刑事が「今西さん、和賀は父親に会いたかったでしょうね?」「そんな事は決まっとる!今、彼は父親に会っている。彼には、もう音楽、音楽の中でしか父親に会えないんだ」
最後の一言【孤独力】
言葉にすれば、安っぽくなる。心が打ち震えて、魂が揺すぶられ、涙がとめどなく溢れ出す。
しかし、見方を変えれば、凄い映画だったのです。あの不治の病と幼い子供が互いに助け合って、一緒にいても所詮は行き倒れです。それは、共依存だからです。親子が離れていたことによって、息子の出世の妨げになってはいけないと思いやりを全面に出して、自制できるようになった父親。一方の息子は、どんな苦境にあっても自分の夢を実現したいと燃えるような原動力になったのは、孤独の力以外はありえません!
孤独力は、人を自分の感情を超えて思いやりを、人を逆境で何十倍にも強くするんですね。
あなたの孤独を希望に変えます!是非、この記事も参考にして下さい。
又、あなたとお会いしましょう。